12月5日 魅惑の貨物列車part3鉄道研究会

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みなさん、こんにちはこんばんは!!
4年の村上です^^/

連載シリーズ第三弾です。大変お待たせしました!(誰も待ってない^^;;)
 第三回は、中京圏で活躍する愛知機関区DD51形ディーゼル機関車についてです!!

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セメント列車を牽引するDD51@四日市港


まずはじめにDD51の簡単な概要から。

1962年より製造されたDD51形ディーゼル機関車は四国を除く日本全国の幹線~亜幹線向け本線用ディーゼル機関車です。

蒸気機関車を置き換えるべくして量産された同車は速度面ではC61を、出力面ではD51を上回る設計をされています。

現在の愛知機関区にあたる当時の国鉄稲沢第一機関区では関西線の旅客列車や貨物列車を牽引するために導入されました。

蒸気機関車を置き換えるために大量増備されたDD51ですが、日本全国の幹線電化進展や貨物量の減少にともない、国鉄末期より淘汰が進んでいます。

現在、JR北海道・JR東日本・JR西日本・JR貨物にDD51は在籍しています。定期列車が存在するのはJR北海道とJR貨物のみでそれ以外は臨時・工臨列車や入替などに使われることが多いようです。

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寝台特急カシオペアを牽引するJR北海道に所属するDD51。

さて、本題に戻りたいと思います。

JR貨物に所属するDD51は現在、北海道地区で活躍する鷲別機関区、中京圏で活躍する愛知機関区、主に美祢線で活躍する門司機関区の3カ所に集約されています。

かつて日本全国で活躍したDD51牽引の貨物列車を日常的に見かけることができるのはすでに3カ所にまで狭まっています。特に、中京地区では工業地帯ということもあり、一般的なコンテナ列車から、車扱いである石油系タンク車、藤原岳から産出する石灰のタンク車など様々な列車を見かけることができ、本数も(DD51牽引列車では)かなり多い為、ここ最近人気が出てきたようです。

一方でDD51は1978年まで製造された機関車ですが、車両によっては製造より30年以上が経過しています。北海道地区ではJR貨物の新鋭機であるDF200が徐々に勢力を伸ばし、DD51の活躍はかなり減ったようですが、本州地区では現在も置き換え新鋭機は登場していません。そのため、JR貨物では状態の良い機関車を今後も使用する機関区への転属や、更新工事施工を施工するなど延命措置が執られています。

たとえば愛知機関区では、吹田機関区所属(→現在、城東貨物線電化により廃車、一部は門司機関区へ転属しDD51の配置なし)の機関車と交換を行ったり、厚狭機関区(→現在は門司機関区に統合)より機関車が転属してきました。つい最近では鷲別機関区所属であった2両が愛知機関区へ転属となり、中京地区向けの改造中のようです。

このように、愛知機関区に所属している機関車は1両1両が非常に個性的です!

そんな機関車たちを個人的に考察してみました。

※個人的な考察につき、一部間違いや便宜上の読み方をしている場合がありますがご了承ください。参考程度で読んでいただけるとありがたいです。

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かつて愛知区に5両存在したA更新の青色。

視界不良時に識別が困難であると現場で不評を買った為、現在は赤色系に再塗装されている。


DD51の大きな区分

1.製造区分

国鉄時代に製造されたDD51は大きく分けて以下の区分があります。

DD51初期

:試作形から初期の量産車 国鉄末期までにすべて廃車

500番台半重連形

:重連での運用が可能な旅客向けの機関車。旅客向けのDD51はSGと呼ばれる蒸気暖房装置(ボイラー)を搭載している(後年、蒸気暖房を必要とする客車の減少で省略された機関車もある)。重連運用時に次位DD51の単弁(機関車のみにかかる単独ブレーキ、列車全体にかかる自弁とは別)が動作しないタイプ。後年、全重連形への改造を受けた機関車もある。こちらも国鉄末期までに廃車となっている。

500番台全重連

:次位DD51の単弁も動作するように改良された機関車。799番以降は貨物用800番台と重複を避けるために1000番へと飛んでいる。

愛知機関区では1028、1146、1156号機が500番台全重連形にあたる。

800番台

:貨物列車を主体に牽引するために500番台全重連形のSG関連機器を省略して製造されたグループ。500番台全重連形に比べて6tの軽量化されており、下回りに改良が施されている。899番以降は全重連形との重複を避けるために1800番台へ飛んでいる。1801番以降は成田線等でのジェット燃料暫定輸送向けの車両で、貨物牽引後は旅客牽引ができるようにSG準備工事が施工されていた。

愛知機関区に所属するほとんどの機関車は800番台に属する。

2.気候条件区分

一般型

:暖地向けの一般的な仕様。スノープロウなどを省略したものも多く、関東以西に配属されたものが多い。

愛知機関区に所属する機関車の大半はこの形態です。

A寒地仕様

:極寒地向けの仕様。耐雪ブレーキ・スノープロウ・旋回窓・ホース等の凍結防止加熱装置・つらら切り兼用プロテクターなど徹底的な対策を施している。主に北海道や東北に向けて配属されました。なお一部、中部や山陰にも存在していました。

愛知機関区では現在、改造中の元鷲別機関区1146、1156号機がこの形態ですが中京地区向けに仕様を変更(撤去)するものと思われます。

B寒地仕様

:A寒地ほど寒冷ではない地方向け仕様。スノープロウやホースの凍結防止加熱装置などを搭載している。主に山陰地区向けで中国地方に配属されたものが多い。

愛知機関区ではかつて所属した元山陰地区の1188号機(2013年廃車解体)がこの形態でした。


以上が大まかな区分になります。

これからはさらに特徴的な部分を見ていきたいと思います。

油壺の取り付け

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DD51 889先頭で牽引するかつて存在したエチレンコンテナ列車

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油壺(一例 DD51 896の例)

上写真の真ん中にある壺が通称"油壺"です。

主に中京~関西地区に所属し、鷹取工場で検査を受けていた機関車に搭載されていました。壺先から連結器のピン先まで至り、自動で給油するというものです。

現在使用されているかは不明ですが、全機に搭載されることなく終わっています。

愛知機関区では稲沢第一機関区からの生え抜きである機関車などに多くつりつけられています。

825、899、890、891、892、893号機(893のみ佐倉機関区新製配置)

キャブ上通風口

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雨の中を駆ける856号機

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屋根上通風口(DD51 853の例)

上写真のキャブ(運転台)屋根上左右に蓋があります。

写真ではちょうど開いた状態で、通気口になっているようです。かつて厚狭機関区に所属していた機関車にはついていたようです。

愛知機関区ではかつて厚狭機関区に新製配置された847、852、853、856、857号機でこの通風口を見ることができます。

ラジエターカバー
放熱器のカバー形状の違い。

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三分割タイプ(DD51 857の例)

主に中期までに製造された機関車はこの形態です。

愛知機関区では825、847、852、853、856、857、875、1028がこのタイプ。

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二分割タイプ(DD51 899の例)

後期~最終増備グループでの形態。このグループでは前面の手すり形状も異なっている。

愛知機関区では889、890、891、892、893、899、1801、1802、1803、1804、1805がこのタイプ。

冷房装置

DD51が誕生した1962年当時、線路の主流は蒸気機関車でした。したがって開けっ放しですきま風の多いキャブや燃えたぎるボイラーが目の前にある蒸気機関車での乗務は決して良いものではありませんでした。そこで登場したDD51の密閉キャブを採用しており乗務員の大幅な職場改善に違いありませんでした。

しかし時は下って現代、一般電車の冷房化率は100%に限りなく近くなり、JR以降に製造された機関車は冷房装置が搭載されています。一方で、国鉄時代に製造されたDD51やDE10、EF65、EF66などには扇風機のみ(当初は扇風機すらなし)で、乗務員から敬遠されるようになりました。

そこでJR貨物では長距離運転する機関車には冷房装置が取り付けられることになりました。

EF66、EF64 1000の(現存する)全機は冷房装置を搭載、EF65はスポットクーラー搭載、DD51も冷房改造されたものが登場しました。

ただし、入れ替えを主体とするDE10は冷房化されておらず、後継のHD300もあるため今後も工事を行うことはないと思われます。

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冷房がある機関車(DD51 899の例)

冷房の室外機が緑丸に取り付けられている。

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冷房が搭載されていない機関車

 

室外機がなく原型に近い機関車(DD51 852の例)

現在冷房が搭載されていないのは847、852、853の3両のみである。

夏場は優先的に休車となることが多く、近いうちに廃車対象となる可能性もある。

列車無線アンテナ/扇風機カバー

800番台の場合

railroad20131205-11MY.jpgのサムネイル画像

890号機(手前)と847号機(奥)

青丸が列車無線アンテナ。

855号機以降は乗務環境改善のために扇風機を搭載しました。そのため、キャブ中央に大きなカバーが1つ載っています。

後年、列車無線アンテナを搭載する際に855以前の機関車はキャブ中央部にアンテナを搭載(通風口853号機の写真を参照)しました。一方、855以降はキャブ助手席側の屋根を一部カットした上で、専用の台座へ取り付けられました。

500番台の場合

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1028号機(手前)

500番台全重連形では1010号機以降に扇風機が搭載されました。800番台と異なりキャブ中央部にSG(蒸気暖房装置)を取り付けているため、運転席上に中央部を避けて2カ所カバーがあります。

後年、列車無線アンテナを搭載する際は、855号機以降と同様にキャブ助手席側の屋根を一部カットした上で、専用の台座へ取り付けられました。

ナンバープレートの取り付け

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切り文字タイプ(DD51 825の例)

854号機までの中期グループまでは直接車体に取り付けられています。

825、847、852、853がこのタイプです。

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ブロックタイプ(DD51 893の例)

855以降や500番台後期グループでは、ブロックを車体に取り付けてあります。

856、857、889~893、899~1805、1028、1146、1156がこのタイプ。

ステップ形状

地面から機関車へ上るために両端にもうけられたステップですが、大きく分けて主に2形態を見かけることができるようです。

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上は最も多い直線3段

下はスノープロウ付きに見られる一番下の段が広くなっているタイプ

幅広形は857、1801、1803、1804、1146、1156で見ることができます。

新製時には直線形だったが、幅広形に改造された車両(857)や、逆に新製時幅広だったが、直線形へ戻される車両(899、1802、1805)もあります。

以上、私のわかる範囲で識別できる点をご紹介しました。

説明だけではわかりにくいと思いましたので以下の表へまとめてみました。こちらも参考にしていただけるとありがたいです。

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※クリック原寸


最後に、DD51も登場から半世紀が経ち、最若番車両でも登場から35年近く経とうとしています。現段階では置き換え車両の登場は道内向けのDF200のみで、愛知機関区向けに新型車が導入されるのは当分先になると思われます。

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貴重な未更新原色同士の重連運用

最近では鉄道ファンでお祭り騒ぎになることも(苦笑

一方で、経年劣化が進んでおり更新工事が進められております。また国鉄色をまとう原色機も減りつつあります。特に未更新の原色機では冷房装置やATS-PTの整備を行った上でも廃車になる機関車が出てきており、今後とも目が離せない状況です。

また、先ほども述べましたが鷲別機関区より更新機2両が2013年秋に愛知機関区に到着しました。この2両が営業に入ると状態の悪い機関車や非冷房車が廃車になる可能性が高いと思われます。しかし、元北海道機と言うことで、これまで愛知区では見ることのできなかった形態をこれからは見ることができるかもしれません。こちらは期待してみたいところです。

日本全国でも大変貴重となったDD51形ディーゼル機関車に少しでも興味をもっていただければ幸いです。

私もまだまだ勉強不足です。これからも精進(追っかけ)します!!

また、長文乱文かつ説明が不明瞭な点もあったと思いますが、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございました!!

それではまた機会がありましたら!

余談、書くのに3時間掛かった(汗)