文芸研究会1月22日の活動報告+30分小説最優秀作品発表文芸研究会

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まだまだ寒さが抜けませんね。今年はまだ行きがないので幸いといったところでしょうか。

では活動の報告させていただきます。

1月22日は30分小説を行いました。これはお題から連想されるワードを各々で記述し、これを回収。ランダムで配って小説を書くというものです。今回「試験」というワードがお題となりました。

幾人かの部員が作品を書いてくれました。そこで抽選した結果一年生の永井くんの作品が最優秀作品と決定いたしましたので本文中に記載させていただきます。

お題「リトマス試験紙」

-伝え方  永井明男-

少年の小学校ではリトマス試験紙にメッセージを書いて伝えたい人の机に入れるという遊びが流行った。なぜ書く紙がリトマス紙だったのかはわからないが理科の実験中誰かがはじめたらしい。

書いたのは誰かという匿名性に皆ハマり、少年もその一人だった。隣の席に座っている女の子が少年は好きだった。近くだったから良く話すようになり、気づいたら好きになっていたというよくあるパターンだ。

少年はリトマス紙を使った。シンプルに

「好きだ」

と書いて彼女の机の中の道具箱に入れる。翌日、特に反応もなかったので次の日もやる。いつの間にか帰りにそれをやるのが日課になっていた。

流石相手も気づいているだろうと思ったが、毎日楽しく話しかけてくる彼女に少年はどう答えたらいいか複雑だった。ある日彼女が少年に笑顔で別れを告げ、いつものように自分の道具箱に蓄えていたリトマス紙を取り出すと少年は固まる。そこには

「気持ち悪いからやめて」

と描かれていた。少年はそのリトマス紙を真上から眺め何も考えられなくなる。

赤いその紙に、青い斑点が散らばった。

END-

いや悲しいですね。心に隙間風が流れるような感じです。ただこの悲しみが受け、票数圧倒的大勝利で彼の作品となりました。

永井氏には次回の作品も期待したいです。

それではまた。