5月31日(日) 中部学生鉄道研究会連盟主催 『近鉄鮮魚列車「乗る!撮る!録る!ツアー」』参加報告 その②鉄道研究会

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皆さまこんにちは。鉄道研究会ブログ担当の坂本でございます。

さて、先回から東海地区学鉄連主催『近鉄鮮魚列車「乗る!撮る!録る!ツアー」』の参加報告をしております。

今回は先回の記事その①続きから、イベント当日の様子についてご覧いただきます。

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↑大阪上本町ゆきの30000系ビスタEX(V09編成)と並ぶ。 宇治山田

2680系の足回りのことを考えれば、実際には並ぶことのなかった初代と3代目のビスタカーの共演とも言えます。

さて、ホームに上がった一行は、まず1番のりばホーム上で撮影会を敢行。

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↑宇治山田方先頭車モ2684。1481系時代に使われた鮮魚列車表示板(レプリカ)を掲出しています。

行先の「貸切」表示も普段は掲出いたしません。

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↑側面の車両番号

この車両はモーター車。つまり例の10000系「ビスタカーⅠ世」から流用した電装品を載せています。

その貴重な走行音を録音するため、

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↑この車両は録音専用車両とされていました。

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↑モ2684の運転席。

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↑車内の様子。近鉄の通勤車では初めて平天井を採用しています。

噂と予想に反して、実際に乗ってみると意外なほど魚臭くありませんでした。(車内の湿度が上がるにつれ若干そういう臭いも感じましたが)

さて、車内は基本的に現役当時と変わりはありませんが、

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↑つり革と中吊り広告を吊る金具は必要ないため、御覧のように根元から撤去されております。

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↑そしてこちらは側面方向幕の車内側点検蓋ですが、

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↑こちらもやはり現在は必要ないため、外側は埋められております。

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↑編成中唯一の中間車、モ2683。パンタ2機を搭載。ここから乗車車両です。

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↑そして今回乗車した大阪・名古屋方先頭車、ク2782。

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↑モ2684とク2782の先頭に掲げられていた特製ヘッドマーク

ク2782には

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↑長距離を走る近鉄らしく、手洗いが設置されております。

そしてその向かいには、

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↑編成中唯一ここだけにあるボックスシートが。通路側に肘掛がついておらず、時代を感じます。

こうした独特の設備はこのク2782に集中しています。

そうこうしているうちに発車時刻の11時25分が迫ってきました。

ここで、今回中心になって企画して下さった名城鉄研近鉄勢の1人、森さんによる特別車内放送が。

こうした趣向は非常に盛り上がりますよね。

さらに、空調がONになっていると録音が空調の音に邪魔されるためこれを切り、代わりに窓を開けて走行するとのこと。

ますます期待が高まってきます。

そして定刻より数分遅れて出発、宇治山田を後にしました。

発車後すぐ伊勢志摩ライナーとすれ違い、高架を降りると伊勢市駅を通過。

その手前の車窓左側にはJR東海の伊勢車両区が。

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↑JR東海のキハ40系列ももうすぐ見納めですね...。

さて、次の宮町駅手前には急カーブがあるため速度を落とします。

...が、そこで前方にガクッと振られるような衝動があり、皆前につんのめりました。

どうやらこの車両のブレーキは、非常に癖のあるかかり方をするようです。

半分まで開けられる一段下降窓を全開にしているため、速度が上がるにつれ激しい風が車内に吹き込んできます。

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↑宮町~小俣間で、名古屋発の特急「しまかぜ」とすれ違いました。

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↑当日の運転士さん用のスタフ(時刻表)。この写りでは全然読めませんね...。

このあたりで電車は伊勢市内を抜けました。

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↑普段鮮魚列車が夜を明かす明星駅(みょうじょう。多気郡明和町)横の明星検車区。

先般登場したばかりのNHKケータイ大喜利四日市公開収録記念ラッピング編成を施した1230系VC48編成が停車していました。

電車は直線の続く区間を最高速度の110km/h近くまでスピードを上げて走りゆきます。

近鉄独特の「ガチャンッ!ガチャンッ!」というやや重めな感じのジョイント音が心地よい感じです。

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↑続けて東松阪~松阪間で京都発の「しまかぜ」とすれ違います。

ここで、車内で割り箸が配られ始めました。どうやらお楽しみ抽選クジのようです。

そこで1位を当てた方の商品は、

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↑先程先頭に掲出していた方向板でした。ちなみにこれはマグネット製のレプリカ。

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↑裏は湯の山線の電車に取り付けられている湯の山温泉PR用のマークでした。

さて、電車は大阪線と名古屋線の分岐点、伊勢中川(松阪市。以下:中川)へ。

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↑中川駅手前の複雑な配線。大阪線と名古屋線の歴史が詰まった駅です。

早くも情報を掴み、ホーム上で撮影している人もいました。

ここではダイヤの都合上約3分ほど小休止します。

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↑ホーム上の反転フラップ式(パタパタ)列車案内表示機。

中川のような大きな駅に残っているのは意外でした。

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↑ここでは大阪難波発の「しまかぜ」とすれ違います。

これで下り方面の「しまかぜ」3列車全てとすれ違ったことになります。

さて、「しまかぜ」をやり過ごすと信号開通のブザーがホームに響き、電車が動き始めます。

電車は先ほど「しまかぜ」が通った線路を平面交差。

そして普段走り慣れた大阪線を左に見ながら、

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↑一般車時代にその大半を過ごした名古屋線へと入っていきます。(左が大阪線大阪方面)

さて、車内では次のお楽しみ企画が始まります。

それは何とも鮮魚列車の貸切らしく...

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車内でお刺身を食す!というもの。

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1人頭お刺身を2枚ずつ、美味しくいただきました。

ちなみに自前で持ち込んでいた方もいましたよ!

さて、電車は県庁所在地の津を通過。

徐々に情報を聞きつけた撮影者が沿線に増えてきました。

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↑名古屋線主要基地の1つ、白塚車庫を横目に白塚(津市)を通過。

電車は白子(しろこ。三重県鈴鹿市)でも時間調整を行います。

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約5分ほどの時間調整の後発車します。

さて、白子発車後には、

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↑運転士さんのご厚意で、正面窓内側に先ほどの鮮魚列車方向板を置かせていただきました。

先頭車前面外側への掲出は叶いませんでしたが、こうしたご厚意に感謝したいです。

さて、やがて電車は塩浜工場のある塩浜(四日市市)へ到着。

2005(平成17)年に当車が名古屋線に入線した時にはここまでの運転でした。

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手前は電動貨車モト94(MF94編成)

思えばここのイベントにはたった1人で来たなァ...

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↑ここでは特急を2本待避いたしました。

停車中、またも運転士さんのご厚意で、

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↑行き先設定の対照表を拝見いたしました。

上本町、高安など大阪線の駅から、河内山本~信貴山口(しぎさんぐち)などの珍しい行き先もありました。

さて、ここから先の区間は鮮魚列車となってからは初めての入線となります。

本格的に沿線に撮影者が増えてきました。

やがて電車は四日市、富田を通過。

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↑その頃車内では関西学鉄連との代表者会議を実施。今後の予定などを話し合いました。

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↑伊勢朝日~益生(ますお)間ではJR関西本線を走るDD51-892牽引のコンテナ貨物列車を追い抜きました。

こちらも向こうもあと数年~10年以内に見られなくなるのがほぼ確定的な車両ですので、この風景は非常に貴重なものとなったのではないでしょうか。

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↑桑名駅では急行名古屋ゆき待ち合わせのため待避線に停車。

ホーム上のお客さん方が普段見かけない独特な電車と車内のヲタどもを不思議そうな目で見ていました。

7分ほど待ったのち桑名を発車すると、

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↑車窓には長良川・揖斐川の長い橋梁が見えてきました。

何だか「帰ってきた」という感じがしますね。

ここから先の区間では待避もなく、スピードを上げて順調に走ります。

愛知県内に入ると高架区間が目立つようになり、乗り心地も良い感じです。

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↑そして米野~名古屋間の米野検車区が見えるとまもなく、

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↑電車は終点の名古屋へと入っていきます。1枚目の写真にはよく見ると新幹線N700系が写っています。

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↑13:30過ぎ、ようやく終点名古屋へと到着!

ご覧のように30~40人くらいは撮影者が集まっていたと思います。

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↑到着後、大阪線方面へ回送されるためすぐに折り返す鮮魚列車。(あまりに人が多くてこんな写真しか撮れませんでした...)

もう多分2度と乗ることはできないであろう鮮魚列車2680系。

2680系の老朽化に加えて、鮮魚列車そのものも利用者の減少で存廃の危機に立たされていると聞き及びます。

初代ビスタカーの面影を残す唯一の存在であるこの電車の、1日でも長い活躍を願うばかりです。

 

さて、解散後は関西学鉄連の方々とともに近くに中華料理店「王将」へ。

関西発祥の「王将」は関西での支持率が高く、特に立命館大学鉄研は代々「王将」推しなんだとか。

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↑坂本はその立命館大鉄研の方々から「王将」の魅力を伺いつつ、美味しくいただきました。

 

今回のイベントは多くの方々にご協力いただいて実現したものです。

イベントをご企画下さった名城大鉄研の森さま、各鉄道研究会の皆さま、その他参加者の皆さま、そしてこの運転企画をご許可下さった近畿日本鉄道株式会社さまに、この場を借りまして厚く御礼申し上げます。

またこうしたイベントでお会いできますことを切に願っております。

 

おまけ

帰りにみんなで寄ったビックカメラにて。

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↑スマホ組み込みの3D大型ゴーグルを試着する高木くん。

この中では3D立体のリアルなゲーム映像が映し出されており、電撃文庫「ソードアート・オンライン」の世界をこの目で見た気がいたしました。

しかし外から見ると物凄い格好ですよね...。しかも無意識に体が変な動きをしがちでしたし...。

でも本当にあと10年もしたらさらに開発が進んで、「ソードアート・オンライン」の世界は現実のものになっているかもしれませんね。

 

 

本日もご覧いただき誠にありがとうございます。