
障害児整形を専門とする整形外科医。愛知県心身障害者コロニーの運営に30年以上携わり、同・中央病院の院長も務めた。

整形外科学、リハビリテーション医学Bなど
中部大学に赴任するまでの37年間、私は整形外科医として愛知県心身障害者コロニーで障害児たちと向き合ってきました。理学療法士が担当するリハビリテーションは、特に障害児や障害者の社会復帰にとても重要な存在です。それだけに患者と接する時間も長く、理学療法士は心身ともに患者の傍に立つ医療者としての活躍を期待されています。
私は主に医学系の授業を担当することになりますが、医療現場の実際を伝えることも大きな役割です。障害のある子どもたちは、とても純真なんです。真剣に向き合えば必ず心が伝わるし、喋れない子だって反応を見れば気持ちが分かる。どんな患者が、どんなことに困って、何を必要としているのか……そして医療者として何ができ、どんな喜びを感じられるのか……。現場へも積極的に連れ出し、子どもたちの力になれる理学療法士を育成したいと思っています。

理学療法士。臨床業務と同時に、国立病院機構・東名古屋病院附属リハビリテーション学院で理学療法士育成に尽力してきた。

理学療法評価学、内部障害理学療法学など
理学療法士が行うリハビリテーション医療と聞くと、多くの人は手足などの運動機能の回復を思い浮かべるかもしれません。運動機能を損なう原因にも、脳血管障害や中枢神経障害、スポーツなどによる外傷系の障害、老年期障害、発達障害などがありますが、それとは別に「内部障害」と呼ばれる分野が実はあるのです。内部障害とは、循環器系や消化器系、呼吸器系など、体の内部の機能障害のこと。たとえば私が専門にする呼吸器系内部障害の理学療法では、呼吸の方法やタンの出し方などを指導し治療します。人体の構造や働きを医学的に理解する——理学療法士のベースとなる知識は、運動機能だけでなく、体内部の機能回復にも活かされています。
医療は常に進歩しています。理学療法士は、技術の発達、社会の変化に対応していかなければなりません。総合大学で学ぶことが、その対応力を身につけることにつながるはずです。

理学療法士。スポーツ医・科学研究所などでスポーツ選手のリハビリに従事。中日ドラゴンズのトレーナーなどスポーツ現場での活動も行ってきた。

運動器構造計測学、スポーツ外傷系治療学など
私たち理学療法士は、医学的な知識に基づく動作分析を行い、運動機能を回復する治療を行います。生理学や解剖学、運動学などの医学を学ぶのは簡単なことではないですが、医療における理学療法士の専門家としての特徴が最もあらわれるところです。
私自身は、理学療法士としてスポーツ選手のリハビリテーションやリコンディショニングを主に担当してきました。その経験がこの学科で役立てられると、期待しているんです。中部大学には全国レベルの運動部が多い。しかも、キャンパス内に練習の拠点がある。理学療法士をめざす時に、この環境は大きなメリットです。スポーツ選手は限界ギリギリのところでプレイをしています。そこに接して得る経験は、一般患者の機能回復をめざす時にも活かされます。学科生の経験やモチベーションにつながるよう、運動部との連携も積極的に図っていきたいと考えています。