学長ブログ

2017年4月 8日の記事

2. 学長最初の一週間

4月1日の大学と大学院の入学式に続いて、今週は併設校の中部大学春日丘高校(512人入学)、中部大学第一高校(420人入学)そして、中部大学春日丘中学校(103人入学)の入学式に出席しました。入学式では、緊張の面持ちの生徒と、誇らしげに喜びに満ちた保護者の姿が印象的でした。壇上から見ていて気が付いたことは、保護者の数です。大学院、大学、高校、中学と保護者の人数が増えていき、中学校の入学式では両親ともに出席している場合が多いので、入学生以上の人数になっていることでした。

先月まで小学生だった子供が中学に入学、正門で写真を撮る親子の姿を見ていて、当時の自分のことを思い出しました。中学受験の合格発表の日のことです。私は小学生のころ珠算塾に通っていて、ちょうど合格発表の日は、兵庫県大会の日でした。午前中神戸の三宮で競技会に出て、入賞したものの、表彰式には出ずに、一人阪急神戸線に飛び乗り、中学校まで走っていったのです。先に行っていた兄貴と親父が、あったよ、と喜んで出迎えてくれました。そのころの合格発表は中学校の校舎の中に合格者の番号が張り出されて、自分の受験番号がその中にあるか、見に行かなくてはならなかったのです。今では親父も、母もそして昨年兄も亡くなりました。そんなことを思い出しながら、これで中部大学ファミリーの新入生すべての入学に立ち会ったという喜びを感じていました。

新学期の授業が始まる前日、これまでの教員総会を改めて、初めての教職員総会を開くことになりました。それは教員と職員は大学で一体の存在であるという私の思いから実現したものです。534席収容の三浦幸平メモリアルホールと、ホール外のモニター室および不言実行館1階のアクテイブホールにも参加者を収容し、出席者は600人近くになったということです。

総会では、今後の大学の基本方針について話しました。41人の新任の先生もいることから、現状認識の共有ということで、78年4か月の学園の歴史を、1年のカレンダーにして表現してみました。1月1日(1938.12.8)に誕生した学園は、30日後(1945.3.19)には空襲により全焼し、中部工業大学として開学できたのは4月28日(1964.4.1)。戦後の混乱の中で学園の復活にはずいぶん時間がかかったわけですが、創設者三浦幸平初代学長の、中部地区に大学を作る、私学でこそ真の教育ができる、という熱意がようやく実ったのです。工学部にさらに2学部を加えて中部大学になったのは7月30日(1984.4.1)。現在の7学部の形が出来上がったのは11月18日(2008.4.1)。在籍者数が1万人を超えたのは12月8日(2012.4.1)。そして今、新たなカレンダーの1ページの始まりです。
12,738人の学生・教職員からなる中部大学の現状を「世界がもし100人の村だったら」にヒントを得て、人形を並べて100人で表現してみました。男女の人形です。学生グループ(89人)、教員グループ(8人)、職員グループ(3人)。今度は学生グループが100人の村だったら、工学部31人、経営情報学部12人、国際関係学部5人、人文学部15人、応用生物学部14人、生命健康学部14人、現代教育学部6人、大学院生は3人です。それから、私の大学に対する思いと教育に対する思いを表しました。教育の本質は学びにあること、大学の構成員はすべて学びの途上にあること、大学(University)での教育(Education)の意味、等私が日ごろ考えているところを語りました。そのほか、中部大学の研究の現状、財政の現状、入学試験の結果、大学ビジョンについて。最後は、中部大学から教育の新しい風を世界に向けてというメッセージで終わりました。

この間にいくつかの新学長インタビューを受けました。学外からは複数の新聞社(朝日、中日、中部経済、国際ジャーナルForeign Affairs)、学内からは放送研究会(5人の学生さんと顧問の先生)によるインタビュー、大学広報誌ウプト(2人の学生編集委員と学園広報制作課)によるインタビュー。新聞社のインタビューでは、学長が抱く大学や教育・研究に対する思いといったことなど、次々と質問され、次第に答えるほうも熱を帯びていきました。放送研究会のコミュニケーション学科と電子情報工学科の学生さんからは、私の研究のことを聞かれて、プラズマの話をして、ウプト取材の現代教育学科の学生さんとは、教育の話で話が盛り上がり、ロボット理工学科の学生さんからの質問のなかにあった海外おすすめの場所は、広大な空間を持つテキサス西部(15年間住んでいたところです)を含むGreat Plains、オーロラの見えるカナダ中西部のPrairie(7年間住んでいました)、そしてイタリアのアドリア海(プラズマ夏の学校の講師として何度も滞在したトリエステ)を挙げました。

そして大学案内用の写真撮影では、まだ調度品も整わない学長室でのプロによる撮影。学長の最初の1週間があわただしく過ぎていきました。写真は学長室から見える満開の桜。プロのとった写真はまだできないので、代わりにスタッフが描いた似顔絵:

sakura.png

face.png

1