学長ブログ

2017年5月13日の記事

5. 中部大学に天文台ができた

中部大学天文台天体観測所が、春日井キャンパスの北西の一角に完成し、5月10日に多くの来賓、中部大学の教職員、学生、中部大学第一高等学校、中部大学春日丘高等学校、中部大学春日丘中学校の生徒を招いて開所式が行われました。土井隆雄宇宙飛行士にもお越しいただきましたので、生徒は大喜びでした。土井先生は中部大学創発学術院の客員教授でもあります。テープカットには国立天文台台長の林正彦先生、春日井市の伊藤太市長、飯吉厚夫理事長、松尾直規中部大学天文台台長にも参加いただきました。写真の後ろに見える直径4mのドームに、口径30cmの反射望遠鏡と口径15cmの屈折望遠鏡を配備し、さらに館内には3Dプラネタリウムを備えています。

開所式の後、場所を移して、不言実行館アクティブホールで記念講演会が開催されました。国立天文台台長林正彦先生の話は、古代から現代にいたる宇宙観の変遷と、多くの天体写真を交えて星、星団、宇宙の話、宇宙は「平ら」で、ダークエネルギーが70%を占めるという現在の宇宙観が紹介されました。土井先生の話は、1985年の毛利衛さん、向井千秋さんとともに宇宙飛行士として選抜された時から、1997年STS(Space Transportation System)-87と呼ばれる87番目のスペースシャトル「コロンビア」でのミッションにおける日本人初の船外活動の話、2008年のSTS-123でスペースシャトル「エンデバー」を使って、国際宇宙ステーションに日本の実験棟きぼうを設置したことなど、わくわくする話が映像を見ながら語られました。スペースシャトルは400km上空を、1時間半で地球を一周するため、45分ごとに昼と夜がやってくるという話を聞いて、私自身カナダにいる時に、夜空を見上げて星のように光るスペースシャトルが動いていくのを見つけて、感動したことを思い出していました。数分間明るく光って動いていくのが見えたのです。そのことを思い出して、ここで計算してみると、スペースシャトルの速度νは、スペースシャトルの円軌道の半径をR、周回にかかる時間をTとすると

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で与えられて、スペースシャトルが半径6400kmの地球の上空400kmのところを回っているので、R =6400+400=6800km、1時間半(90分)で回るのでT =90×60=5400秒 をいれると、

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となり、秒速7.9km、時速にすると2万8千キロ。確かに天空をはやい速度で動いていくものですね。

私自身はプラズマ物理を専門としていて、プラズマや宇宙のことについてもいずれ、このブログの中で書こうと考えています。

中部大学天文台天体観測所開所式でのテープカット。左から石原、林正彦国立天文台台長、飯吉厚夫理事長、伊藤太春日井市長、松尾直規中部大学天文台長
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講演会で主催者挨拶。中部大学開学50周年を記念して2年前に建てられた不言実行館の中で、学園80周年の1年前に完成された天文台の開所式が無事終わり、中部大学ファミリーにわくわくする教育研究施設がまた増えた、とあいさつ。
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「宇宙をめざせ」不言実行館アクティブホールとサテライト会場の聴衆に土井隆雄宇宙飛行士が呼びかけた。
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