山岳写真(3-2)~山でしか撮れない写真~ 6月7日加筆訂正写真部

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皆さんこんばんは、Fです。今回は遂に山岳写真シリーズの最終回、"山でしか撮れない写真"をテーマにお送りいたします。DSCN8713.JPG
(燕岳山頂から臨む山並み、この一枚もまた"山でしか撮れない"一枚だ。)

さて今回は山でしか撮れない、筆者の言う"それ以外"について写真も交え解説していきたいと思います。
山でしか撮れない、と言ったのには理由があります。それは「一定以上の高度でなければ見れない景色がある」という理由です。
なぜか?そこで一つの鍵となるのが「森林限界」という言葉です。"森林限界"というのは文字通り森林の限界、つまり木々が高く成長でき森林を形成出来る限界の高度のことです。ではその高さを超えるとどういった植生になるのか、以下の写真をご覧ください。DSCN8556.JPG
この写真では高い木々はまばらです。また黒い小さな木々のような植物がご覧いただけると思いますがそれが"ハイマツ"と呼ばれる植物です。筆者の経験上日本の高い山々(約2500m以上と思います)においてはこの植物がメインの植物の山が多いです。この植物の特徴は何と言っても高さが小さいという点です。そしてこの植物が生えているのは森林限界を越えた辺りから。つまり、この植物が見えて来れば見晴らしも良くなるということです。
DSCN8564.JPG
(槍ヶ岳がこんなにもハッキリと見えますが実はちょっと距離があるのです。)
また森林限界を超える高さというのは日本の高い山々の山頂の高さに近づく、ということです(日本の高山は富士山を例外とすると二番目に高い北岳が3193m、三番目の奥穂高岳でも3190mしかありません)。つまり、下からでは何かが遮りはっきりと見えない物でも遮るものがなくなるから見える、ということです。DSCN8537.JPG
(この写真、実は薄っすらと富士山が写っています。これもまた高度が上がったからこそ見えるようになった物です。)

ではここからは実際に幾つかの例を見て見ましょう。
2015.10.10 103.JPG(2015年10月10日焼岳より撮影)
木々に囲まれるようにして見える赤い物は前前回ご紹介した上高地、そのバスターミナルです(画面には二つ写っているとは思いますが上方のものです)。

2015.10.10 068.JPG
岩肌剥き出しの焼岳、これもまた一つの山の形だ。なお、この山が禿山になっているのは高度のせいではなく山中から噴き出る硫黄のためだ。

DSCN8609.JPG
(2018年5月6日燕岳より撮影)
題名をつけるとしたら"雪被る山々"と言ったところでしょうか。高い山々は空気が澄んでいるため天気が良ければかなり遠方まで見渡す事ができます。

DSCN8635.JPG
左端にニョキニョキしているのは槍ヶ岳、槍のような形が特徴の山で実は"アルプス一万じゃく"にも歌われています。「あ~るぷすいちまんじゃく、小槍の上で~」のくだり、小槍というのはこの山の一部です。個人的にはあの場所で踊るのは勘弁して欲しいところではありますが。

DSCN8712.JPG
(燕岳山頂から槍ヶ岳をバックに)
こんな所で食べるカップラーメンは格別なのです。

DSCN8648.JPG
北アルプスの女王"燕岳"。

DSCN8672.JPG
イルカ岩と呼ばれる岩、何となくイルカに見えませんか?
DSCN8678.JPGDSCN8582.JPG


ざっと高い山から見る景色を紹介しました。山岳写真シリーズ最終回は写真盛り沢山でお送りいたしましたがいかがでしょうか。日本には多くの素晴らしい山があり日々美しい光景をみせてくれます。そんな素晴らしい景色を少しでも読者の皆様に触れて頂ければ幸いです。もし機会があれば山の写真を今後も皆様の元へ公開していきたいとおもいます。
今回で一連の山岳写真シリーズは終わりです。長い間ご覧頂きありがとうございました。今後も当ブログを宜しくお願い致します。