4月25日 たまには"鉄分"多めに!?鉄道研究会

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皆さん、こんにちは&お久しぶりです。
就活真っ最中の4年村上です。

4月という事で新入生を迎え、益々活気づく部活動ですが、少々"鉄分"が薄い感じなので、先輩としてここは一肌脱ぎまして、"鉄分"濃いめの記事を投下して行きたいと思います(笑)

鉄分濃いめな話題「第一弾!」
として今回は
近畿日本鉄道12200系特急形電車(新スナックカー)
について取り上げたいと思います。

なるべく、わかりやすくお伝えするつもりですが、不明瞭な点や説明不足があるかもしれません。なにとぞご容赦くださいませ。
また、この記事に関しましては大学内での個人的な研究内容であり、鉄道事業者等との関係は一切ございませんので、鉄道会社等への質問等はおやめください。

12200系の概要

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1967年に登場した12000系特急形電車の改良版として1969年に登場した車両が12200系です。12000系のスタイルを引き継ぎつつ、スナックコーナーと呼ばれる軽食コーナーを拡大して登場しました。
その後、スナックコーナーの利用不振から途中よりスナックコーナー無しで製造されるようになりました。
折しも大阪万博による乗客増も手伝って約8年にわたる長期間増備が行われ12000系と合わせて180両近い車両が誕生しました。
後に、従来のスナックコーナー付きの車両も順次スナックコーナーを撤去して座席を増やす改造を行っています。なお、改造の種類によりいくつかのタイプがありますがここでは割愛します。

1985年より、後継の特急形電車との接客設備格差が生じてきた為に順次更新工事(A更新工事)が施工されていきます。1985~1990年にかけて更新された車両は主に12410系に準じた改造が行われました。また1991年より更新工事が行われた車両は21000系(アーバンライナー)に準じた改造が行われました。約10年ですべての車両が更新されています。

最盛期には2・4・6両編成が存在しており、近畿日本鉄道線標準軌(1435mmゲージ)の特急運転区間ならばどこでも見かけるポピュラーな車両となりました。
1995年より特急利用客減少に伴って、特急車両の保有台数を減らしつつ、新造コストを減らすために状態の良い車両を再度更新工事を施工し、寿命を40年程度に延ばす工事(B更新工事)が始まりました。

2000年よりB更新工事に漏れた状態の悪い初期車を中心に廃車が始まります。また6両編成を4両編成に、4両編成を2両編成に減車する編成組換えも行われ、6両編成がすべて消滅しています。
余剰車の中には団体車両の15200系(あおぞらⅡ)やクラブツーリズム専用貸切車両15400系(かぎろひ)への改造も行われています。

2006年より一時中断していたB更新工事が再開され、新型シートへの交換や空気清浄機取り付け・トイレの改良・転落防止幌取り付けなどが行われています。


現役12200系全編成のラインナップと簡易解説

ここからは現存する全編成のプチ解説です。
※一部に間違え等がある場合があります。なにとぞご容赦ください。

補足
1.近鉄電車の編成記号略称(電算記号)
N:12200系 2両編成
NS:12200系 4両編成

2.所属車両基地
明星検車区(近鉄山田線/三重県)
富吉検車区(近鉄名古屋線/愛知県)

3.集電装置
PT42:大型パンタグラフ
PT42:下枠交差パンタグラフ(小型パンタグラフ)

4.更新工事
A更新:1985~95年施工
B更新:1995~年施工中(一時中断あり)

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第25編成(N25)

1969年製/明星/PT42/A更新

現存する最若版編成です。車内が直接照明・ひも網棚・座席モケット張り替えなどの簡易更新のみ施工されています。


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第31編成(NS31)

1969年製/明星/PT42/A更新

4両編成から2両編成に減車されています。小型のトイレ窓が現在も存知されています。

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第33編成(NS33)

1970年製/明星/PT42/B更新

12233以降の4両編成にはすべてB更新が施工されています。

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第34編成(NS34)

1970年製/明星/PT42/B更新

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第35編成(NS35)

1970年製/明星/PT48/B更新

小型パンタグラフのPT48を装備している。

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第36編成(NS36)

1970年製/明星/PT48/B更新

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第37編成(NS37)

1970年製/明星/PT42とPT48/B更新

大阪難波・名古屋方先頭車は小型PT48、中間車は大形のPT42を装備しているおもしろい編成です。

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第38編成(NS38)

1970年製/明星/PT48/B更新

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第39編成(NS39)

1971年製/明星/PT42/B更新

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第40編成(NS40)

1971年製/明星/PT42/B更新

かつては東花園検車区に所属していました。

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第43編成(NS43)

1971年製/明星/PT42/B更新

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第44編成(NS44)

1971年製/明星/PT42/B更新

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第45編成(NS45)

1971年製/明星/PT42/B更新

先頭制御車の車番が「12345」です。

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第46編成(NS46)

1971年製/明星/PT42/B更新

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第47編成(NS47)

1971年製/明星/PT42/B更新

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第48編成(NS48)

1971年製/明星/PT42/B更新

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第49編成(NS49)

1971年製/富吉/PT42とPT48/B更新

大阪難波・名古屋方先頭車が大形PT42、中間車が小形PT48となっています。
かつては6両編成でしたが、中間2両が廃車となり4両編成となりました。

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第50編成(NS50)

1971年製/富吉/PT42/B更新

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第51編成(NS51)

1972年製/富吉/PT48/B更新

6両編成から中間2両を廃車として4両編成になりました。

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第52編成(N52)

1972年製/富吉/PT48/B更新

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第53編成(N53)

1973年製/富吉/PT48/B更新

4両編成から中間2両を廃車として2両編成になりました。


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第54編成(N54)

1973年製/富吉/PT42/B更新

4両編成から中間2両を廃車として2両編成になりました。


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第55編成(N55)

1973年製/富吉/PT42/B更新

4両編成から中間2両を廃車として2両編成になりました。

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第56編成(NS56)

1974年製/富吉/PT48/B更新

12200系として最後に製造された編成です。
6両編成から中間2両を15200系(あおぞらⅡ)に譲り4両編成になりました。

なお、12200系は中間車を後に増備した編成が多数存在し、先頭車と中間車では製造時期が大きく異なります。上記はすべて先頭車を基準としていますのでご注意ください。

NS56編成以降はマイナーチェンジを行った12400系となり30000系ビスタカーのプロトタイプとなりました。
12400系から名阪甲特急(ノンストップ)向けの12410系、京都特急向け12600系へと発展し、近鉄特急第二世代はこれにて完結しています。
そして21000系(アーバンライナー)以降の第三世代へと発展していきます。


おまけ
12200系から派生した15200系と15400系について。

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15200系(あおぞらⅡ)第二編成(PN02)

2005年に従来の18200系(あおぞらⅡ)を置き換えるべく、12200系より一部補修を行った上で、4両×2編成と2両×1編成が竣工しています。

第一編成(PN01):元 第20編成(N20)+第41編成(NS41)の中間車
第二編成(PN02):元 第30編成(N30)+第32編成(NS32)の中間車
第三編成(PN03):元 第17編成(N17)


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15400系(かぎろひ)第二編成(PN52)

2011年にクラブツーリズム専用の車両として登場しました。専用車両のため車内は改造されており、「かぎろひ」の愛称で親しまれています。

第一編成(PN51):元 第41編成(N41)
第二編成(PN42):元 第30編成(N42)

以上が現存する全編成(2012年4月現在)です。

12200系は製造後40年近く経過し、編成ごとの個体差が激しく、趣味的観点から観察していると特徴的な編成が多くてとてもおもしろいです。
現在、近畿日本鉄道では式年遷宮に向けて新型観光特急「しまかぜ」や23000系伊勢志摩ライナーの更新車、22600系「Ace」などの新鋭車両が幅をきかせつつありますが、12200系の活躍はまだしばらく続きそうです。
ここからは個人的な予測になりますが、式年遷宮後にはまた特急車の整理が始まる気がしています。この際にまた12200系の廃車が始まるかもしれません。車齢も高いのでいつ廃車になってもおかしくありません。これからも目が離せないですね!!

さて、長くなりましたがここまでおつきあいいただきましてありがとうございました!
また機会があれば第二回もやっていきたいと思います。

それではまたの機会に。