6月16日 魅惑の貨物列車part1鉄道研究会

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みなさん、こんにちはこんばんは!!
4年の村上です^^/

部活内容は後輩に任せるとして今回はビターチョコレート並みの濃さの記事を投下していきたいと思います!!

連載シリーズ(の予定!?)で魅惑の貨物列車(主に中京圏)について書いていきたいと思います。
記念すべき第一回は、中京圏でおなじみの車扱貨物の代表例である石油系(主にガソリン車)についてです!!

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ディーゼル機関車にひかれてガソリン満載のタンカー列車が行く。

第一回目はガソリン系タンク車です!!

タンク車と一言に言っても種類がたくさん存在します。
主に液体を主として運搬するものがタンク車ですが、液体にも様々な種類が存在し、比重・腐食性の有無など、物質的・化学的性質によって構造が変わるために専用車両が用意される事が多いためです。

ここで大きく分けると
・一般液体(ガソリン/重油・潤滑油などの石油類/アルコール)
・腐食液体(濃硫酸/濃硝酸/苛性ソーダ液)
・液化ガス(液化塩素/LPガス/液化アンモニア)
・粉末(セメント/アルミナ)
・食品類(小麦粉/醤油/酒類)
・低温輸送品(液体硫黄/アスファルト)
など、それぞれにおいて専用のタンク車が用意されていました。

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駅で待機するタンク車@四日市駅

現在、トラックの台頭や、小ロット輸送がメインである化成品輸送ではISO規格タンクコンテナ登場によって、タンク車が不要になるケースが多いようです。

現在の主な輸送品目はガソリン系とセメント系が主軸を占めています。

ガソリン系では主に日本石油輸送(JOT)と日本オイルターミナルなどの輸送専門会社にタンク車が集約されています。
この二社による石油輸送は主に内陸部への石油輸送がメインです。液体を大量に運び入れるには船舶を利用する方が安価ですが、船舶では当然ながら内陸への輸送が不可能です。よって大量に輸送できる鉄道の登場となる訳です。

現在の主な輸送ルート(一例)は
室蘭-札幌・旭川・帯広
仙台港-郡山・盛岡
根岸(横浜)・川崎・京葉-郡山・宇都宮・高崎・八王子・松本・甲府・坂城・岡部
四日市-松本
(日本石油輸送・日本オイルターミナルのHPより)
以上の地区で運行されています。


さて、前置きが長くなりましたが、数多くあるガソリン系タンク車の中で今回は中京地区でみかける(みかけた)車両をメインにご紹介します。

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タキ9900形

1962~66年にかけて製造されたタキ9900形はそれまでのタンク車とは大きく異なり、タキ50000形で採用されたフレームレス構造を採用しました。
フレームレス構造はタンク自体に台枠の機能を持たせたものです。
同車は国鉄ガソリン専用タンク車初の35t積みです。

上部に積み込み装置を搭載したドームがあり、取卸はタンク下部の吐く出管を用います。フレームレス構造を採用したため、中央部が両端より径が太くなり、従来のタキ3000形より1mも車体が短くなりました。

546両が製造されたタキ9900形はJR貨物に400両程度が引き継がれましたが、後継のタキ43000形や新鋭タキ1000形が増備されるに従って、老朽化が著しいタキ9900形は順次淘汰され、2008年に全車が廃車されて形式消滅しました。

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タキ35000形

1966年に登場したタキ35000形はタキ9900形の後継車として登場しました。
タキ9900形の特殊なタンク構造でコスト高や整備の煩雑化などの問題が顕著となり、タキ35000形が新しく設計されました。

タキ35000形は従来通りの台枠の上にタンクを搭載する構造ですが、台枠の改良などにより軽量化もはかられています。これによりタキ9900形より約1.5tも軽量化された約16.0tになりました。

同じ35t積みで比重の重く粘度のある重油向けに製造されたタキ45000形も存在します。
1108両製造され、35t積みの決定版として長らく活躍しましたが、2010年までに両車とも廃車となり形式消滅しています。


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タキ43000形(基本番台) 日本オイルターミナル所属車

タキ43000形は1967年に登場した43t積みのタンク車です。国鉄と石油会社による拠点輸送を行うための会社が設立され、その拠点を結ぶための専用貨車として製造されました。

車体は軽量化の為にフレームレス構造が採用され、タンクの直径を車両限界いっぱいまで拡大されました。


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タキ43000形(43100番台) 日本石油輸送所属車

台車やブレーキ制輪子の改良が行われ、若干仕様が異なります。
他にも寒冷地仕様などがあります。


さて、タキ43000形が増備されていく中でフレームレス構造に懸念の声があがります。
特に可燃性物質搭載タンク車などの重大事故などがあり、保安対策が改定されてタキ43000形の増備が出来なくなります。
これにより、保安対策を強化した新形式が誕生します。
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タキ40000形

1975~81年にかけて製造された40t積みのタキ40000形は需要のあった成田空港向けのジェット燃料輸送に用いられました。
燃料輸送後には一般に転用されています。タキ43000形に変わって増備されていく予定でしたが、安全重視のためにコストや積載効率が悪いために再びタキ43000形を製造する事になり139両で打ち止めになりました。

現在新鋭タキ1000形の増備によって淘汰が始まり、すでに18両(2012年度)まで減少しており、形式消滅が近いかもしれません。


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タキ43000形(243000番台初期)

タキ40000形の安全対策に準じてタキ43000形にさまざまな安全対策を行い、保安対策車が製造されます。さらに1989年にタンクの寸法を変更して44t積みに改良した車両が登場しました。

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タキ43000形(243000番台)

1993年まで製造されたタキ43000形ですが、日本石油輸送に所属する車両は途中よりエメラルドグリーン・灰色のツートンカラーに変更されてイメージが大きく変わりました。

818両が製造されたタキ43000形は石油輸送の中心的存在になりました。
現在、新鋭のタキ1000形の増備により廃車が始まり500両程度に減少しつつありますが、まだまだ多数が活躍を続けています。

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タキ44000形(基本番台)

タキ43000形の石油類向けの43t積みタンク車です。
重油などの比重の重い物を運ぶためにタキ43000形より全長が約2m短くなっています。

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タキ44000形(保安対策車)

タキ43000形同様に保安対策が施された車両です。
同車は170両が製造されましたが現在は50両ほどまで減少しています。


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タキ1000形

タキ43000形までのタンク車は最高運転速度が75km/hに制限されており、高速化が進むコンテナ列車(95km/h~)に比べて到着時間やダイヤ設定上の懸念事項となってきました。
そこで1993年に登場した車両が新鋭タキ1000形です。

現在でも増備が続くタキ1000形はタキ43000形のフレームレスを踏襲しつつ、車高を下げ、タンクをさらに大型化して45t積みに増大しました。さらに台車もコンテナ車の物を改良し、最高運転速度95km/hへ向上しました。

他のタンク車と併用される場合も多いですが、タキ1000形のみで組成された編成は「スーパーオイルエクスプレス」などの高速貨物列車として運転されています。

現在でも増備が進み、2012年度には951両を越えています。


数あるタンク車の中でもガソリン系に絞って紹介しましたが、各車とも特徴的な車両なので、タンク車を見かける機会がありましたら、じっくり観察してみてくださいね!

そんな私もまだまだ貨車については勉強不足なので、説明が不明瞭な点もあったと思いますが、ここまで読んで頂いてありがとうございました!!

それではまた!