2月3日(水) グリーンマックス小田急1000形(リニューアル完成品) ~ちょい加工でよりかっこよく!!~鉄道研究会

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みなさまこんにちは。鉄道研究会3年生の坂本でございます。

昨年11月、長年キット製品のみが発売されてきたグリーンマックス(以下、GM)製の小田急1000形電車が、金型完全新製のうえ、完成品として発売されました。

モノは十分素晴らしい出来なのですが、一部にちょっと...という個所も。

というわけで、今回の記事では同製品を少しディテールアップしてみました!!

これだけでもだいぶ印象が変わります!!

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↑ディテールアップ後の1000形電車

小田急1000形電車は1988年に登場。

小田急で初めてGTO-VVVFインバータ制御とオールステンレス車体が採用されています。

旧型車置き換えや輸送力増強に、そして9000形に続く2代目の営団地下鉄(当時)千代田線乗り入れ用車両として、地下鉄乗り入れ運用にも導入されました(現在は撤退)。

1991年には扉幅2mのワイドドア車が登場し、話題になりました(現在は幅1.8mに短縮)。

最終的には4連×24編成、6連×8編成、8連×1編成、10連×4編成の196両が導入されました。

現在も組換え、改造などを経て全車が現役で、一部車両にはリニューアル工事が開始されています。

今回発売されたモデルはリニューアル工事が始まる前、2013年頃の1000形の姿をモデルとしています。

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↑1000形非リニューアル車(1094F@新宿)

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↑こちらが製品ほぼそのまま(ステッカーなどを除く)の先頭車。

全体的にかっちりしていて良い印象です。

ちなみにモーターは今話題のフライホイールコアレスモーターで、非常に高性能です。

走行性能など、以前のGMツインモーターと比べれば月とスッポンです。

しかし、細かく見ていくと粗が見えてきます。

例えば無線アンテナが...

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↑製品の別パーツそのままを取り付けた状態。

これでは実物と比べて太すぎますし、あまりに形が悪いです。

そこで、GMストア大須で、

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↑群馬県のメーカー「ペアーハンズ」のL字型無線アンテナを用意いたしました。

ホワイトメタル製のパーツで、きりっとした造形が特長です。

取り付けに先立ち、

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↑床下、ライトユニットと、

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↑前面のガラスパーツを外します。

アンテナは瞬間接着剤で取り付けるため、ガラスパーツを外さないと、乾くときに発生するガスでパーツが曇ってしまいます。

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↑製品そのままではパーツがはまらないため、0.8㎜ドリルで取り付け穴を拡張します。

あとは、瞬間接着剤をパーツに付けて穴にはめれば...、

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↑出来上がりです!!

床下をはめ込んだ状態のものも見てみましょう。

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↑6枚上の写真と比べると、一目瞭然かと思います。

ちなみに先頭部の連結器はTNカプラーとして、見た目と機動性を重要視しています。

小田急通勤車のかつての象徴であった前面の巨大な手すりは、製品に別パーツでついてきます。

プラスチック製ですが、非常に大きな存在感が感じられます。

他の部分も見てまいりましょう。

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↑6両編成と10両編成の小田原寄り先頭車には、実車通り女性専用車のインレタを貼ってあります(銀河モデル製)。

ちなみに現在実車には、これよりももっと大きなステッカーが貼られているのですが、そのステッカーを作っているメーカーでは品切れとのこと。

ドアの注意書きのインレタなども売り切れということで、今後も地道に探していくしかなさそうです。

続いて優先席ステッカー。

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↑これは旧優先席ステッカーバージョンです(GM製)。

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↑ちなみにこちらが実物。現在はどんどん数を減らしています。

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↑こちらは昨年10月~の新優先席ステッカー(トレジャータウン製)。

優先席付近での携帯電話マナー変更に伴い、張替えが続いています。

ガラスの裏から貼るタイプのインレタで、ガラスを外したり、カッターの刃先にインレタをのせて貼り付けたりします。

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↑こちらが実物。同様のデザインのものが首都圏の多くの私鉄で採用されています。

ややデザインは違いますが、雰囲気十分ではないでしょうか??

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↑中間車も幌を取り付けたり、KATOカプラー化したりと色々改造。

幌を取り付けると、連結面間隔の調整が難しいです。

そして私がGMやマイクロエースの車両に対してよく行う他社製パンタへの交換。

今回ももれなく実施しています。

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↑こちらが元々製品に載っていたシングルアームパンタ。

「腕」が太すぎますし、「く」の字になっている部分が高く上がりすぎて、とても不自然です。

写真ではわかりにくいですが、造形も非常に大味です。

というわけで、

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↑TOMIX製のPT7113Bパンタグラフに交換してあります。

TOMIXのロマンスカー「LSE」7000形用のもので、実車でも菱形パンタからシングルアームに交換された車両には、全てこのパンタグラフが搭載されています。

取り付け時には1㎜ドリルで屋根に4か所の穴を開ける作業が必要になります。

この位置取りが意外と難しく、失敗すると屋根に意味のない穴を残してしまうことになるため、注意が必要です。

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↑整備が完了した先頭車に通電!!

尾灯がくっきり光っていますね! 室内灯も効果抜群です!

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↑こちらは前照灯が点灯した状態。

ヘッドライトが非常に暗いのがGM完成品の悩みどころの1つでしたが、今回の製品では非常に明るいライトが採用されました。

さて、ちょっとした手直しで車両がとてもかっこよく見えることをご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。

少しお金はかかりますが、こうした努力で車両をよりよく見せることができるのは、とても有意義なことではないでしょうか。

御覧のみなさまも、ご自分の車両をディテールアップして、かっこよくしてみませんか...?

たちまちその魅力に憑りつかれますよ(*'ω'*)

記事の最後はちょっとした小田急ウンチクで締めさせていただきます。

よろしければお付き合いください。

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↑こちらは先頭車同士の連結面。

かつては新宿発、または新宿ゆきの急行が、途中駅でほぼ確実に分割併合していた小田急。

1000形が登場したころ、6連と4連とに分割する設備は、小田急通勤車には必要不可欠でした。

1954年に相模大野駅(神奈川県相模原市)で分割併合が開始されたのを機に、急行の前6両は小田原または箱根湯本ゆき、後ろ4両は片瀬江ノ島ゆき(あるいはその逆)など、多くの連結パターンが存在しました。

恐らく1980~90年代にかけては、国内では1日に最も多く分割併合を行っていたものと考えられます。

数年前までは、他形式との併結も多くみられたものです。

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↑1000形が5200形(抵抗制御)と併結した例(Nゲージを用いたイメージ)

しかし2008年3月のダイヤ改正で、通勤車の分割併合は改正前の50分の1以下に激減。

2012年3月、消滅しました。

現在の1000形は、一部を除き特定の編成同士で半固定状態となって運用されていることが多いです。

リニューアル工事にあたっては、上写真左側の先頭車のクハ1256など、運転室を完全に撤去され、中間車と化した車両もあります。

小田急の名物であった、全く性能が違う車両同士での併結も、今ではほとんど見られなくなってしまいました。

時代の流れとはいえ、とても寂しく思います。

最後に、現在でもよく異形式混結をしている3000形と8000形の連結面を載せて、終わります。

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↑3262F+8054F.快速急行藤沢ゆき@新宿

本日も長い記事にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。