3月2日(水) 四日市あすなろう鉄道260系更新車鉄道研究会

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皆様こんにちは。鉄道研究会3年の坂本でございます。

私も遂に、あんなに先だと思っていた就活が始まってしまいました...。

虫垂炎(盲腸)の手術を直前に受けましたので、病み上がりでのスタートでございます。誰か助けて...。

さて、三重県四日市市の近鉄内部線・八王子線改め、四日市あすなろう鉄道内部線・八王子線で活躍する260系に、先日大幅なリニューアルを行った車両が登場いたしました。

先日その電車にようやく乗車する機会がありましたので、ご紹介したいと思います。

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↑趣を一新した260系、U61編成(あすなろう四日市にて)

260系は1982年、線路幅762㎜という特殊規格である内部・八王子線の近代化のため、当時両線を運営していた近鉄が導入いたしました。

1977年に北勢線(現.三岐鉄道北勢線。西桑名~阿下喜)に導入された270系を元に、デザインと、線区に合わせた改良を施して造られています。

内部・八王子線は3両編成ですが、260系は先頭車のみ8両を製造し、中間車については、それ以前の1940年代後半に作られた車両を連結する形がとられました。

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↑近鉄時代のオリジナル塗装(Wikipediaより。U63編成。1999年、日永)

2004年からはイメージアップのため、編成中全ての車両の色を、それぞれ違うパステルカラーとする塗り替えも行われました(2008年に完了)。

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↑パステルカラーの一例(Wikipediaより。U62編成。2008年、日永)

一方、内部・八王子線の業績は近年急速に悪化し、近鉄は2012年、いよいよ両線廃止の方針を打ち出しました。

そこで、四日市市は新会社「四日市あすなろう鉄道株式会社(以下、あすなろう)」を設立し、内部・八王子線は2015年4月1日から同社による運行が始まりました。

電車と施設は四日市市が保有し、運行は新会社が行う、いわゆる上下分離方式、第三セクター方式が展開されています。

あすなろうでは、今後3年かけて260系全車のリニューアルを行うこととしており、その第1陣が今回リニューアルされたU61編成なのです。

近鉄の高安検修センター(大阪府)にて改修が行われており、大幅なリニューアルとともに、冷房装置設置や、中間車サハ121(1949年製)の、新造車サハ181への置き換えが行われるなど、リニューアル以外の部分でも大きく変わった部分があります。

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↑行き先表示は今まで側面にありませんでしたが、新たに3色LED式のものが新設されています。

さて、リニューアル車の車内を見ていきましょう。

車内に入ると、

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↑運賃表はLCDモニターになっていました(というか、以前はLED式のものすらなかった)。

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↑運賃箱も新品に。今までのものよりずっと分かりやすく、使いやすいです。

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↑運転室もリニューアルされ、モニター類が多数増設されています。

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↑化粧板、座席とも一新され、とても明るい雰囲気ですが、右側の冷房装置がやや圧迫感を覚えさせます。

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↑今までの260系車内(Wikipediaより)。座席の背もたれもバス型のため低く、全体的に埃っぽい印象でした。

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↑その座席は背もたれも高くなり、座り心地も良くなりました。

取っ手もハート形になるなど、遊び心いっぱいです。

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↑こちらは車端部に設けられた優先座席。座席そのものは一般席と同じです。

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↑車端部の狭い部分も、少し腰掛ける場所を用意し、有効活用してあります。

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↑今までは夢のまた夢だった車いすスペースもしっかり用意されています。

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↑四日市市所有の車両であるため、車内銘板も「四日市市」です。

あ、ちなみに、足回りは以前と同じ釣り掛け駆動のままです。

線路状態も悪いままなので、乗り心地もあまり改善されていません。

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↑そうするうち、電車はまもなく降車駅の赤堀へ。

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↑赤堀を出発するU61編成、西日野行き。

見えにくいですが、前面行き先表示は「四日市あすなろう鉄道」で固定されています。

ちなみにこの塗色は暫定的なもので、

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↑このように正式な塗装を今現在募集している状態です(本年1月、泊)。

赤字前提の状態で歩みだしたあすなろう。

電車のリニューアルが終わったら、次は設備のリニューアルもしなければなりません。

今後もあすなろうの先行きは不透明ですが、全国でも貴重な特殊狭軌線として、また何より地域住民の貴重な足として、期待したいと思います。

頑張れ!!あすなろう!!


おまけ

先月大阪へ旅行した際に撮影。

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↑大阪市営地下鉄新大阪駅にあった、その名も「雛電車」

まさか、電車をお雛様飾りにしてしまうとは...。

東海、関東などの会社では真似できないだけに、個性が際立っていますね。

こうした関西私鉄・地下鉄の取り組みは、とても面白いし、素晴らしいと思います。

本日もご覧いただき誠にありがとうございました。