文芸研究会おすすめ本!文芸研究会

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文芸研究会ブログ更新担当の神鉈悠(かみせゆう)です。今回も部員のおすすめ本をご紹介します!

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紹介者:四紋龍

作品名:三国志

著者名:北方謙三

出版社:竹書房

四紋龍:乱れきった後漢末期。志を抱いた方漢たちは剣を手に取り戦場に向かう。劉備、曹操の二人を中心に多くの漢達が命を投げ打ち乱世に挑む壮大な歴史物語を日本一のハードボイルド作家、北方謙三が見事に描き出す。

神鉈から:ひとつ抱いた感想として「えっ、三国志って一つだけじゃないの?」じゃないらしいです。どうやら正史を元に発展している作品が幾つもあって、コレもその一つだそうです。その中でもかなり評価の高い作品らしく、一度読んでみたい気もしますねぇ・・・・・・。

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紹介者:神鉈

作品名:裸者と裸者

著者:打海文三

出版社:角川文庫

異なる世界線の日本。各国の情勢悪化により日本には難民が流入し、経済状態は逼迫していた。国難を憂いた国軍将校らは軍事クーデターによリ政権を奪取するも亡命日本政府による救援要請を受けた米海軍の大空爆により反乱軍は壊滅、事態は沈静化したかに思えた。しかし統制を失った旧国軍の反乱軍は各地で軍事派閥を形成し、戦国時代まで時代は遡ってしまった。

米海軍の誤爆によリ、父を失った少年佐々木海人は妹と弟、母と慎ましく暮らしていた。しかしその日常は母が奴隷商人に誘拐された時から失われた。必死で暮らす海人だったが、ある日彼も新政府軍による孤児強制徴兵を受けみなしごで構成された少年兵部隊<加賀見部隊>に配属されてしまう。突如として戦争に巻き込まれた少年と、あざ笑うかのように変貌する情勢。少年が青年兵士へとなっていく物語「応化クロニクル」の序編裸者と裸者。

いつものどおりのポリティカルミリタリーです。あったかもしれない日本の歴史。上下巻で3つ(3巻は上下巻合わせて1つになってます)出ているのですが、なんと未完です。残念なことに作者の打海さんが第3巻下巻を執筆中に急逝してしまったんですねぇ。ただそこまででも楽しく読めるほか、裸者上下巻でもキッチリ完結はしています。

ストラテジーゲームを小説で展開したような戦略や謀略も楽しめるいい作品です。ただかなり辛辣な表現も多いので読む人を選ぶかもしれないですね。