文芸研究会 学祭企画-フレーズ小説③-文芸研究会
文芸研究会、ブログ更新担当神鉈 悠(かみせゆう)でございます。今回も9号館企画「フレーズ投稿」で投稿していただいたフレーズから
部員が小説に書き起こしたものを再び投稿させていただきます。なお作品は複数存在するため作者は非公開です。ご容赦ください。
・片思いは一番自由で一番辛いものなの
ソファーから栗色の髪がだらしなく垂れている。いつもは明るくて華やかそれは輝きを失っている。所々傷んでいるようで、ボサボサだ。ついでにうなり声みたいなものも聞こえてくるので、本当にゾンビか何かと見違える。
この光景を目にするのはこれで何度目のことだろうか、と考えてみるが三桁ぐらいいきそうだからやめておく。次の日にはあっけからんとしているだろうから深刻になるだけでこちらがバカみたいだ。
「恋は必要よ。自分のことがよく分かるし、相手のことがよく知れる。こんな素敵なこと別のどこを探したってありはしない......」
上を向いて力ない声。ぼそぼそと、でも高い音はすき間風みたいで心の奥まで入ってくる。ほっとけばいいのに、気になってしまう自分がいる。なんて単純なんだろう。
「だから、"片思いはね、一番自由で一番辛いものなの"その人のことをなによりも大切だと思えるけど、私は大切になれないから」
これも何回聞いたフレーズだろうか。......それでもこれからも聞き続けることになるだろうと思う。ずっとここにいるだろうから。
コメント
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服部
小説の中の子、恋愛体質だ(笑)!
こんな文章書ける部員が文芸にいるとは知らなかったな…。