学長ブログ

2019年9月の記事

54. 北緯5度 マレーシアのペナン島

8月半ば、バンコクから飛行機でまっすぐ南に約1000キロ飛んで、マレーシアのペナン島へ。ペナン島は北緯5度、東経100度に位置します。赤道にかなり近く、北緯35度、東経137度の名古屋から直線距離にして5000キロメートルのところにあります。

赤道に近いペナン島に着いてみると、異常気象で40度近くまでになる酷暑の日本に比べ、意外なことに過ごしやすいところでした。年間を通じて25度~32度とほぼ一定という。30年の交流実績を持つマレーシア科学大学を訪れ、イスラム教徒で、マレーシアでは初めての女性学長であるイスマイル学長の温かいもてなしを受けました。高台に位置する学長室につながるバルコニーから緑の多いキャンパスが眺められ、すぐそばにマラッカ海峡につながる海が見えました。植民地時代にはイギリス軍が占領し、キャンパス内の多くの建物はその名残をとどめ、また太平洋戦争のころの日本軍による占領のあとも残っていました。

ペナンの街で、太陽の位置から方角を考えたときに違和感を覚えました。太陽のある方は南ではなく、北になるのです。緯度が北回帰線(北緯23.5度)より南にあるため、秋分近くまでは太陽の通り道は北側となるのです。つまり日中の太陽は日本のように南からではなく、北の窓から差し込むのです。

マレーシアはタイとは陸続きになっているものの、文化的には随分と違うようです。国教としてのイスラム教を国民の半分以上が信仰しているものの、中国系の人々は仏教、インド系の人はヒンズー教が多く、それが混じってマレーシアの文化を作っているようです。なかでもムスリム(イスラム教徒)の女性のツドン(tudung hijab)と呼ばれる頭部を覆うものが、カラフルでおしゃれになっているのが目につきました。

01.jpg
マレーシア科学大学学長室からペナン市街を眺める

02.jpg
マレーシア ペナン島のモスク(イスラム教の礼拝堂)

1