学長ブログ

2018年6月の記事

31. 飛騨高山

6月23日土曜日朝、春日井から東名・名神高速道路を経て、東海北陸自動車道を北に行く。木曽川を渡ると岐阜県。関、美濃、郡上と長良川に沿うように北上し、ひるがの高原に着く。ひるがの高原は分水嶺になっていて、ここから流れる水は一方は太平洋へ、もう一方は日本海へ注ぐことになる。そこを過ぎて高山市に入ると、日本の高速道路の標高が最高地点である松ノ木峠(1,085m)を通る。そこから下りになって、高速道路をおりて市街地へと入っていく。

高山市は2005年の合併により、日本一広い市となり、その面積は春日井市の23倍もあり、東京都とほぼ同じくらいです。豊かな山林地帯にあり、日本の伝統的なたたずまいを残し、外国人観光客にも圧倒的な人気を誇るところです。しかし、合併時の人口は10万人近くだったのが、今では8万9千人。着実に人口減少・少子高齢化の波が押し寄せているようです。

高山市役所に到着して、すぐに「第18回中部大学ESDシンポジウム「持続可能な地域のあり方を考える」~「高山学」をめざして~」が始まりました。中部大学の教員、学生、高山市の職員や市民で100名以上が参加しました。

中部大学は近隣の自治体と、積極的にかかわっています。大学は人々の学びの拠点であり、また現代の地方が抱える問題について、地方創成にかかわる知恵を出し合おうと思っています。中部大学と高山市は、連携に関する協定を締結しており、このシンポジウムもその活動の一環です。中部大学では多くの教員が高山という自然豊かで、日本の伝統文化をもつ地域を研究対象にしており、今回もシンポジウムには多数の教職員が参加しました。

前学長山下興亜先生の講演のあと、教員と高山市職員によるパネルディスカッションでは、地理学、森林管理、高山の産業・社会・文化の歴史、防災と地理情報システム(GIS)、耕作放棄田、持続可能な発展のための教育(ESD)といったことをテーマに意見交換がなされました。

江戸時代、飛騨高山の金・銀・銅・木材等の豊富な資源に幕府が目をつけて、飛騨高山は天領となり、独特の文化を形成しており、最近では、高山祭の屋台行事が、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。また県立高山高校卒の白川英樹博士が、ノーベル化学賞を取っています。一番前の席で、シンポジウムでの様々な議論を聞きながら、國島芳明市長と共に、これからの中部大学―高山市の連携を通して、持続的な地域の発展について共に考えていきましょうと、語り合ったところです。

あいさつする石原学長.jpg
岐阜県高山市役所大会議室で開会のあいさつをする

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