学長ブログ

83. 巨人の肩

勝守寛先生(故人)は中部大学第一高等学校の前身である名古屋第一工学校を卒業し、後に中部大学の教授となり、副学長を務められました。本学初めての姉妹校である米国オハイオ大学との交流も始められました。京都大学で出会った湯川秀樹先生の影響もあって、世界の平和を実現するための「世界連邦」の活動にも携わったことが知られています。

新型コロナウイルスは国境を越えて拡がっています。現在、ノルウェーに本部を置く感染症流行対策イノベーション連合では、世界が連携し英知を集めて、ワクチンの開発を進めていると、科学誌ネイチャー4月号で報告しています。

世界規模での医療崩壊と経済危機という難局を乗り切るために、ブラウン元イギリス首相は、臨時の世界政府の樹立が必要だと訴えています。これは平和な世界を目指し、世界連邦を構想した湯川秀樹先生や勝守先生の考え方に繋がるように思えます。

先人が成し遂げた上に新しい発見をすることを「巨人の肩の上に乗っている」と言うように、私達は多くの誇るべき先輩という巨人の肩に乗っており、その上に立つ我々は、先人の知恵に学んで遠い未来を見据え、進むべき道を切り開いていきたいものです。

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勝守元副学長が過ごした1号館は、その後増改築されました。