学長ブログ

3. 恵那キャンパス訪問

通常業務が始まり、学長室に人の出入りが激しくなった2週目。そんな合間を縫って、今週は中央本線で春日井キャンパスのある神領駅から40分の武並駅近くにある、中部大学の研修センターを訪れました。この恵那キャンパスは、濃尾平野の北東部、岐阜県の東南に位置する東濃地域に位置し、木曽路の入口であり、標高2,190メートルの恵那山が目の前に迫っています。34万平方メートルもある広大な自然空間は、イノシシ、マムシ、野兎など野生動物もいるとのこと。中部大学春日丘中高を含めた春日井キャンパスが37万平方メートルあるので、それに匹敵する広大さを持っています。

4月から5月にかけて、2,641人の新入生が新入生恵那研修に参加します。もう40年も続いている中部大学新入生の伝統行事です。230人を収容できる宿泊棟、5つの研修室、体育館と屋外の体育施設を持っていて、私が到着した時には、キャンパスは満開の桜で、研修室では経営情報学部経営総合学科の1年生が5~6人一組の班に分かれて、スクリーンを使ってプレゼンをやっている最中でした。ピアサポーターと呼ばれる黄色のベストを着た上級生が司会と進行役で、はにかみがちな新入生をうまくリードして発表の雰囲気を和やかなものにしていました。発表内容は前日に班ごとに取り組んだシミュレーションゲームの結果報告で、経済に関する世界情勢も含まれており、勉強しながら仲間ができている様子がうかがえました。後ろで見ていた引率教員によれば、ピアサポーターのリードがオリエンテーションのかなめ(要)になっているという。発表後の昼食会で、新入生と一緒にカレーを食べながら、ピアサポーターの一人は、自分が一年生の時の経験から、今度は後輩のためになりたいと、自ら志願して参加したとのこと。昼食がすめば今度は体育館に移動して、ドッジボール。ワイワイ言いながら新入生同士の絆が深まる様子でした。

研修センターは5月末に行われる中部大学恒例の、ナイトウオークの到着地点にもなっています。約100人の教職員と学生が春日井キャンパスを夜出発し、45キロ先の恵那キャンパスには早朝に到着というものです。

帰途、武並駅から恵那キャンパスを振り返りました。ふと作家の曽野綾子氏が春日井のキャンパスを訪れた際、濃尾平野の天香具山と表現してくださったことを思い出しました:

「酸素発生器の様な森で4年間を過ごせる学生たちは幸せだと感じずにはいられなかった。東京にはろくろくスポーツをする場所もないようなキャンパスしか持たない大学も多い。この恵まれ方は何という違いかと思う。(中略)大学の岡を降りるとき、振り返るとまっ平らな濃尾平野の中に突然浮かび上がった緑の岡はなぜか『天香具山』のように見えた。」(曽野綾子、Voice, 2015年9月, p.236)

作家曽野綾子の目で見れば、春日井キャンパスにもまして豊かな、この自然環境の中にある恵那キャンパスを、何と表現するだろうか、と思いながら、近くを通る中山道の案内図を横目に、恵那キャンパスを後にしました。

中部大学研修センター全景(左に白く小さく写っているのが研修棟と宿泊棟、手前にラグビー・サッカー・陸上グランド、野球場、テニスコート)20170415-02.jpg

中部大学研修センター入口
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体育館
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食堂〈写真の真ん中に小さく僕が写っています〉
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