学長ブログ

45. 新学年の始まり

新しい学年の始まりです。学長室から見える桜も満開で、新しい息吹きが感じられます。

4月1日、朝一番で52人の新任の教職員を迎えたあと、入学式で、2,583名の学部生と134人の大学院生を迎えました。卒業式には、蕾だった桜も、入学式には間に合って、キャンパスを美しく彩ってくれました。

学部の入学式では、80周年を迎えた学園の歴史を紹介するとともに、春日井キャンパスの特徴について語りました。そこでは、作家の曽野綾子さんがキャンパスを訪れたときに書かれたVoiceという雑誌に掲載された文章を紹介しました。

「驚きは大学の構内を包む、生き生きとした緑の息づかいであった。(中略)この酸素発生器の様な森で4年間を過ごせる学生たちは幸せだと感じずにはいられなかった。東京にはろくろくスポーツをする場所もないようなキャンパスしか持たない大学も多い。この恵まれ方はなんという違いかと思う。」そして、我々のキャンパスのことを「濃尾平野の天香具山」と表現してくださいました。

天香具山(あまのかぐやま)は、奈良にある大和三山の一つで、神聖な山として信仰の対象となっています。それに対して春日井キャンパスから北東に春日井三山の弥勒山、大谷山、道樹山があることが思い起こされます。

大学院の入学式では、昨年92歳で亡くなった加古さとし先生の話をしました。大学で工学部に進み、会社に就職したあと、47歳になって退職し、絵本作家になられたのです。85歳になって『万里の長城』というユーラシア大陸を舞台にした壮大な絵本を出版されています。88歳の時、ミリオンセラーになった絵本の主人公のだるまちゃんを使って、「未来のだるまちゃんへ」を描き、子供たちに生きるメッセージを残しておられます。加古先生の話から二つのことを学生さんに話しました。一つは、人生まさに100年、長い目で自分の生き方を考えようということ。もう一つは、興味を広げて新しいことに挑戦していこうということ。

さて、春になって世界各地から便りを受け取りました。日本と同じ北半球にあるアメリカでは3月10日の日曜日、スウェーデンでは3月31日の日曜日を境に、サマータイム(Daylight Saving Time)に入ったという知らせで、季節が変わったことを感じます。日本とは季節が反対の、南米のペルーからの便りでは、夏休みも終わり、3月から新しい学年がはじまったということです。

大学も新入生の学生さんを加えて、新しい生命の息吹を感じる、活気のある春日井の丘です。

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(左から)講堂で行われた学部入学式、メモリアルホールで行われた大学院入学式

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学長室の窓から見える桜も満開